spi-kaの日記

生きてる毎日の心の内を。

気持ちを差し出す

f:id:spi-ka:20200711225042j:image

 

帰るべき家の方向が異なる特別な金曜日

暗闇を切るように走るバスの行先がなんだか温かく感じた

 

何を食べてもおいしさが増す

 

隣に座って交わす会話

 

触れる手

骨張った肩に寄りかかる緊張感

 

溜息とは違う、 胸のドキドキを吐き出すように息を吐く

 

冷たい唇の甘さ

我慢だと告げるその声の優しさ

 

正直ほっとして

ほんの少し 少しだけがっかり

 

時がこのまま止まってしまえと

心に思ったのは初めてだった

 

隣にいる温度を感じながら目を閉じる

 

眠れる訳がないけれど

安心感と

心地よさ

 

ご飯を食べて

映画を見て

少しお昼寝をして。

 

【立派でありたいとか

 正しくありたいとかいう

 無理な緊張には 色目を使わず

 ゆったり 豊かに

 光を浴びているほうがいい

 健康で 風に吹かれながら

 生きていることのなつかしさに

 ふと 胸が熱くなる

 そんな日があってもいい

 そして なぜ胸が熱くなるのか

 黙っていても

 二人にはわかるのであって欲しい】

              吉野弘 祝婚歌

完璧を目指さないその姿で

並んでいたいなと思った

そんな風になりたいと 思わず言葉が出てしまった

 

うまく言えない安心と多幸感に怖くなる

 

もらえるものが多いから

気持ちだけはちゃんと伝える大切さ

 

好きなんだ。

尊敬しているし 笑ってほしい

 

気の利いた言葉の一つも出ないけど

何とかして伝えられる方法を探しているんだ