色ない故郷に
自分の足で
特別な人をのせて
ただのドライブではない特別なお出かけを
手汗握って
思わず肩に力が入る移動の末に
ようやくたどり着いた故郷の姿は今まで以上に知らない顔をしていた気がする
前はここにこれがあって
ここが通学路“だった”
話せば話すほど
溢れていく自分の声に耐えられなくなった
狭い街のはずなのに
17年も生きてきた育ちの場所を
知らない町のように
地図を広げて
初めての土地へ来たような感覚で
迷ってしまう。
ここはどこ?
どうやったら辿り着くのか
感覚すらも薄れて混乱していく自分に悲しくなった。
慣れない運転に
大事な人を危険に晒し
唯一の故郷すらもろくに案内できず
父と向き合う
空白の時間に
少し救われた
正直
次がつらい